宿題代行が必要となってしまう教育システムの改善を
こんにちは。宿題専門の家庭教師・宿題代行「家庭教師のココア」代表の高野祐大です。
宿題代行を親にやってもらうのは自然
夏休みの宿題など、長期休みに宿題になかなか手を付けられなくて、期日の直前にとても終わらない量の宿題と対峙したご経験はないでしょうか。そもそも夏休みの宿題や冬休みの宿題などの長期休みの宿題というものは、毎日などコンスタントに取り組んでいくことを想定されているものです。
学校側がいっぺんに出すことが問題では
金銭を介するサービスとしての宿題代行や、昔からある親御さんが手伝う広義の宿題代行などは、話題となり注目されるのが「夏休みの宿題」であることが多いかと思います。それは何故かと申しますと、一度に出される宿題の量に関係しています。
そもそも宿題というものは、出題されれば必ず「期限」が設けられるものです。その期限というものは、夏休みなどの長期休みでなければ、一週間後に期限が設けられるなどするかと思います。その一週間後にこなすことが出来る量を出題し、一週間後の期日にその宿題を提出する必要があり、そこで出題した先生が宿題をチェックするという工程です。 宿題代行が取り沙汰される夏休みの宿題などの「長期休みの宿題」の構造上の問題が、この宿題代行というサービスが必要となる原因があります。
通常であれば、宿題の出される量は細切れで、その宿題の量と、その宿題の期限のペースは一定です。宿題の期限(チェック)が定期的に入ることによって、通常ですと「宿題代行」などというサービスを利用しなくても、なんとかなるものになります
なんとかする方法は、いくつかありますが、そもそも出題量が少ないために、一晩徹夜をすることでなんとかなる面もありますし、宿題を有耶無耶にすることもあるでしょう。そもそもの出題量が少ないために有耶無耶にしたとしても、真面目に宿題をこなしてきた他の生徒から不満が出ることは少ないでしょう。そうした利害の一致があるために、先生と生徒が結託して、宿題をやってこなかったとしても、有耶無耶にしてしまうことも出来ます。
夏休みの宿題は出題量とそのチェックの頻度に問題あり
一方で、夏休みの宿題などの長期休みの宿題になるとどうでしょうか。
一ヶ月半ほどある期間にこなせる量を出題するので、それらは日頃の出題量とは桁違いに多くなるのではないでしょうか。それでいて、そのチェックの頻度(期日)は一回しかありません。
締め切りはこまめに設定したほうがやる
締め切り効果という言葉をご存知でしょうか。
●忙しい人の必須テク、仕事がはかどる「締め切り効果」
https://rokuzero.jp/column/deadline/
心理学的にも、締め切りがあることによって行動が促される「締め切り効果」というものの存在が認められています。締め切り効果はビジネスパーソンに求められるスキルでもあるくらいですから、夏休みの宿題を課されるような小学生や中学生であればね当然のように作用する効果であることは言うまでもありません。
むしろ、夏休みの宿題が課される、学生などの方が、こうした作用を効果的に利用していかなくてはなりません。そうした方が学習効果しても高くなることは言うまでもありません。
なぜ宿題がいっぺんに出題されるのか
やはりそれは教育機関としての学校の怠慢としか言いようがありません。夏休み期間は確かに、生徒が学校に登校しないわけですが、登校しなければ、宿題のチェックが出来ないのは過去の話です。 現在では、GIGAスクール構想が進行し、小中学生に一人一台のタブレット端末が配られています。
●文科省のGIGAスクール構想とは?小学校に1人1台タブレットの時代に
https://coeteco.jp/articles/10741
それらの活用方法について疑義が出ることもありますが、むしろこうした夏休みの宿題の締め切り効果が出せないことによる学習機会の消失といった問題に対して、こうした教育DXを用いて、取り組んでいくのが良いのではないでしょうか。 旧態依然の宿題のマネジメント方法に依存することで、学習機会が失われているとも考えられるのです。
こうしたことを避ける方法がすでに存在しているのですから、積極的にIT機器を活用して、むしろ「宿題代行」というサービスが利用されない、環境づくりの方が大切なのではないでしょうか。
宿題代行を取り締まるのではなく、自然と宿題代行が利用されない学習環境を!